これまでのプロジェクト

広島アートプロジェクト2007

旧中工場アートプロジェクト

広島アートプロジェクト2007「旧中工場アートプロジェクト」


 「旧中工場アートプロジェクト」は、産業遺構である都市の遊休施設を、芸術活動を軸としたアートセンターとして再生するために、広島市中区吉島地区の旧中工場(旧ゴミ焼却施設)、同地区各所、旧日本銀行広島支店において開催された実験的なアートプロジェクトです。このプロジェクトは、産業遺構のもつ負のイメージを、芸術が内包する浄化力によってポジティヴに変換し、都市環境に文化的な潤いを与える創造的施設としてを再生することを目指し、場の独自性を照らし出す展覧会を3つ開催しました。旧中工場では、不要であるゴミに価値を見いだす展覧会を開催し、都市におけるゴミ問題に言及しました。吉島地区では、多様な場所を展示会場としたサイト・スペシフィックな展覧会を開催し、地域コミュニティーとの実験的協働作業を通して、創造的な地域再生の可能性を追求しました。被爆建造物である旧日本銀行広島支店では、「戦争」、「貨幣システム」、その独占機関としての「国家」について問題提起をした展覧会を開催しました。




開催概要


事業名:広島アートプロジェクト2007「旧中工場アートプロジェクト」

総合ディレクター:柳幸典

期間:2007年4月1日(日)~4月22日(日)



企画展1:「ゴミがアートになる!超高品質なホコリ」展


会場:旧中工場プラットホーム(広島市中区南吉島1丁目4-2)

主催:旧中工場アートプロジェクト実行委員会

(現 広島アートプロジェクト実行委員会)

共催:広島市立大学芸術学部 現代表現領域

助成:アサヒビール芸術文化財団、エネルギア文化・スポーツ財団

協力:アートサポーターズ@広島



企画展2:「わたしの庭とみんなの庭」展


会場:広島市中区吉島学区・吉島東学区各所

主催:旧中工場アートプロジェクト実行委員会

共催:広島市立大学芸術学部 現代表現領域、広島市吉島公民館、財団法人広島市ひと・まちネットワーク

協賛:株式会社きなり

助成:アサヒビール芸術文化財団、エネルギア文化・スポーツ財団

協力:アートサポーターズ@広島、広島市中区光南4・5丁目町内会、吉島東学区老人会



サテライト企画:「金庫室のゲルトシャイサー」展

関連企画:「どうする?広島の折鶴」


会場:旧日本銀行広島支店(広島市中区袋町5丁目16)

主催:ゲルトシャイサー・イン・ヴァルト実行委員会

(現 広島アートプロジェクト実行委員会)

協賛:株式会社大和ラヂヱーター製作所、Yanagi Studio

助成:アサヒビール芸術文化財団、エネルギア文化・スポーツ財団、財団法人朝日新聞文化財団

協力:旧中工場アートプロジェクト実行委員会、深瀬記念視覚芸術保存基金、アートサポーターズ@広島、

art space HAP



シンポジウム:「地域におけるアートの役割」


期日:2007年4月1日(日)

会場:広島市環境局中工場

主催:旧中工場アートプロジェクト

共催:広島市立大学芸術学部 現代表現領域

協力:アサヒビール株式会社




組織構成


旧中工場アートプロジェクト 運営チーム


代表 大井健次

総合ディレクター 柳幸典

企画 CA+T

企画サポート 岡本芳枝

アドバイザー 鰕澤達夫

企画担当 岩崎貴宏、今井みはる、中村圭

広報担当 岩崎貴宏、深山大智

デザイン担当 岩崎貴宏、棚次理、向井華子

会計担当 大橋実咲



ゲルトシャイサー・イン・ヴァルト 運営チーム(サテライト企画運営チーム)


代表・企画 柳幸典

運営担当 大橋実咲

広報担当 岩崎貴宏

デザイン担当 鹿田義彦

会計担当 大橋実咲




沿革


旧中工場アートプロジェクト実行委員会の母体組織となる広島市立大学芸術学部現代表現研究室では、「いかに現代の芸術表現が広島の都市や社会に関われるか、またその芸術表現を国内外にどのように発信していくか」というテーマのもと開学当初より研究し続けてきました。具体例を挙げるならば、1995から98年まで「都市の成熟と芸術の役割?歴史的建造物と芸術の共振」と銘を打ち、3回のシリーズとして「広島大学学校教育学部附属旧図書館」「日本通運広島海運支店倉庫」「サントリー広島工場跡地」という従来の展示会場とは全く異なる特殊な場において作品を発表してきました。また研究室の学生は、広島県内において現在では機能を終えた建造物である「旧酒造蔵」、「旧外科病院」、「旧小学校」、「旧発電所」、「旧水道局ポンプ場」等を探し出し、毎年企画を立案し展覧会を開催してきました。


これら広島の都市及び社会と表現の関連性を模索したアートプロジェクトの中でも、もっとも大規模なものは、2001年に開催したArt Crossing Hiroshima project 2001 Springです。このアートプロジェクトは、学内スタッフや学生、国内外のアーティスト、総勢33名によって「旧日本銀行広島支店」「紙屋町地下街シャレオ」「アストラムライン」「広島市立大学芸術資料館・オープンエアスペース」といった5つの広島のサイトで開催され大きな反響を呼んだものです。このように旧空間造形研究室は20世紀、歴史の遺構とも呼べる建造物や、消費マーケット、インフラ・ストラクチャー,教育施設といった広島の都市構造や形成、地域の持つ特殊性にスポットを当て、21世紀の芸術の持つ意味や役割を模索してきました。


これまでは現代の芸術表現が広島の都市や社会にいかに関われるかという研究テーマを、広島の内側で考察・実行してきましたが、日本におけるドイツ年である2005年には、ブラウンシュバイク美術大学との共催によりドイツ、ブラウンシュバイク市で、「ギフト・オブ・ヒロシマ」-Art Crossing Hiroshima project 2005 winter-展を開催できる運びとなりました。これは研究室のもつ研究テーマを海外で紹介できたアートプロジェクトとしてとても意義深いものです。


新規に着手したこの旧中工場アートプロジェクトは、今後現代表現研究室が国内外との交流アートプロジェクト重ねていく上で、広島に外からの受け皿が必要となる中、この旧中工場は「レジデンス会場や展示会場の確保」及び「地域に根ざした観客、サポーターの啓蒙・交流」等の機能を担っていくサイト、つまり情報発信基地と同時に受け皿となる建造物(アートセンター)となります。研究テーマをグローバル性のある構想を持ちつつ、ローカルな場で実践していくための実験的構想です。





ディレクターズ・メッセージ


アートの教育機関とアーチストそして地域による共同体的アートセンターを構想しています。箱はあっても結局中身を動かすのは人です。いい人材が集まり、いい人材を育てる。そして行政で対応出来ない地域の問題解決をアートが提案する。

アートセンター構想に先立ち、まずは問題点を共有する地域再生型のアートプロジェクトをそれぞれの地域で実践している活動家達を呼んでのシンポジウムを、谷口吉生氏建築による最先端のゴミ焼却施設を会場に企画しました。加えて同時に広域アートプロジェクトとして、旧中工場本体での展覧会、新旧中工場を抱える地域での展覧会、そしてサテライト企画として旧日本銀行広島支店での展覧会を企画しました。

旧中工場本体での展覧会は非常勤助手の岩崎貴宏君に「ゴミがアートになる!」という企画ディレクションのもと「超高品質なホコリ」という企画を立案してもらいました。まったくアートとは無縁のゴミ焼却施設プラットホームの巨大な空間で超高品質にエレガントなゴミのアートを発見するでしょう。

地域での展覧会は現代表現領域三年生による吉島のフィールドワークをもとに研究室内で討議を重ね、「わたしの庭とみんなの庭」という企画テーマをたてました。公園や遊歩道というパブリックなスペースにプライベートともいえる植栽や洗濯物の表出があり、鉢植えや盆栽という移動可能な「庭」がパブリックとプライベートを横断する特徴的な風景を発見したからです。工場地域で決して緑が多いとは言えない環境で、公園の機能、植栽の知恵、生活と植物、公と私のあり方が企画の発想となりました。このテーマの下アーチスト達に展示やワークショップをお願いする事になります。またこの吉島地域での展開は学生主体での実践的プロジェクトとなります。企画担当者には現代表現博士前期在籍中の今井みはる君が非常勤助手の中村圭君のサポートのもとに担当します。

そして私が企画するサテライト展「金庫室のゲルトシャイサー」では、広島市指定重要文化財であり被爆建物である旧日本銀行広島支店で、被爆の歴史的事実そして貨幣経済を担ってきた歴史を引用したメッセージ性のあるサイトスペシフィックな展示内容を計画します。「戦争」「貨幣システム」その独占機関としての「国家」について問題提起します。また旧中工場アートセンター構想と同じく、その本来の機能を終えた建造物の積極的な歴史の引用によるアートセンターとしての実験的提案ともいえるでしょう。

地域的問題意識を踏まえ市立大学出身作家には特に参加を要請しました。外部からの招待作家達はいずれも国内外で活躍中の作家で広島では未発表の作家も多くいます。地域の問題点に共鳴する作家達といえます。また今回公募という形で新たな才能の発掘にも機会を提供しました。初の作家デビューとなる若者も少なからず参加することになるでしょう。

このプロジェクトは一回限りのイベントではなく、継続させてこそ意味のあるものだと考えています。そして我々の理想とするアートセンターの実現へと至る第一歩だと信じています。

総合ディレクター 柳 幸典


柳 幸典:

http://www.yanagistudio.net/home.html




パブリシティ



























ポスター
A2

































折りたたみ式チラシ(第一期)
A2



































折りたたみ式チラシ(第二期)
A2



 
開催概要

企画1:「ゴミがアートになる!超高品質なホコリ」展

企画2:「わたしの庭とみんなの庭」展

企画3:サテライト企画
「金庫室のゲルトシャイサー」展

イベント・アーカイブ

開催結果報告書07.pdf

knap_dust.htmlknap_garden.htmlhttp://livepage.apple.co.jp/knap_geld.htmlknap_geld.htmlknap_archive.htmlknap_files/%E9%96%8B%E5%82%AC%E7%B5%90%E6%9E%9C%E5%A0%B1%E5%91%8A%E6%9B%B807.pdfshapeimage_5_link_0shapeimage_5_link_1shapeimage_5_link_2shapeimage_5_link_3shapeimage_5_link_4shapeimage_5_link_5shapeimage_5_link_6shapeimage_5_link_7
10
09
08
072010.htmlkippomaru.htmlkisuiiki.htmlshapeimage_7_link_0shapeimage_7_link_1shapeimage_7_link_2shapeimage_7_link_3